■「あなたの歯を守る魔法の(?)糸」 −前編−
日本人の平均寿命は、2001年女性84.93歳、男性87.07歳。男女とも過去最高を更新しました。
いずれも世界トップでこのことは医療の進歩を反映して素晴らしいことです。
さて、歯の寿命は如何でしょうか?
ひところ厚生省が8020運動(歯を20本残そうという運動・・・親不知を除いて成人の歯は28本です)を提唱しました。例えば予防先進国
スウェーデンの高齢者は平均25本も残っている地域があるのに、日本の高齢者の歯は平均5本しか残っていないというデータ的事実があったからです。残念ながら歯科医療
が進歩しているにもかかわらず日本は大きく遅れをとっています。何故でしょうか?
この謎を解く鍵が、今回お話する「魔法の(?)糸」なのです。
ある患者さんとの会話です。
「先生、私、いつも同じ所にネギはさまってるんです。磨いても取れないんですよ」
「それでどうしてるんですか?」
「仕方ないから、はさまったままです。その内自然に取れると思って・・・」
「その内って?」
「3、4日か、1週間くらいすると、なくなっているかなあ・・・」とまあ、のんびりした方ですが、
「ハハハ、ネギを1週間も歯にはさんでいるって?」と笑ったあなた。
あなたの歯と歯茎の間に、実はプラークが挟まっていないでしょうか?もしかしたら1週間どころではなく、1ヶ月、数ヶ月、何年も・・・
そう、長い年月、あなたの歯と歯茎の間に付着したままのプラーク、これが虫歯や歯槽膿漏の原因であり、歯の平均寿命を縮めている要因なのです。
ネギと違って本人が気づかないだけに食べかすよりずっと重大で厄介な問題です。
例えば当院で全体的な治療を行う場合、患者さんの口腔内の清潔度を調べています。前にもお話しましたが、ほとんどの方が清潔度30%以下です。
滅多に50%を超える方はいません。大抵、検査の前に予告しますから患者さんは一生懸命磨いていらっしゃいます。従ってその結果に納得されない患者さんも多いようです。
頑張って歯を磨いていらっしゃる患者さんには敬意を表しますが、過去のコラムでお話したとうり、100%プラークが除去されていない限り、虫歯や歯槽膿漏により歯を
失うリスクがあることになります。磨いてもとれないネギと同様、磨いても取りきれていないプラークがあることを念頭に置いて頂かなければなりません。
■後編へ続く
神奈川県中小企業経営者協会発行「中経協会報」 健康歳時記より抜粋
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